囀る鳥は羽ばたかない 7巻考察①「百目鬼、恋する兵士と追われる立場」

思った以上に新章突入感ある第7巻の考察です。

五代目桜一家登場

6巻で少し出ていた組長綱川率いる桜一家が登場。
娘の仁姫ちゃんの誘拐、家督のゴタゴタなど家族の業はありつつも、独特の明るさを持った組です。
道心会系の面々とは異なり、愛すること愛されることをあんまりこじらせない感じ。

生まれ変わった恋する兵士

綱川組長「お前色男だろ」若頭連「肝の据わった冷静な男ですよ」クラブの女の子「いいひとじゃんかっこいいし」
桜一家に入って4年、真誠会時代を知る面々&読者からすると「誰???」と思うほど変貌を遂げた百目鬼
6巻「飛ぶ鳥は言葉を持たない」で百目鬼の思春期が終わるんだな〜とは思いましたが、急に大人の階段登りすぎじゃない??な百目鬼の姿。
nwhite.hatenablog.com
なぜ百目鬼はそれほど自分を変えたのか、その理由は矢代しかありません。

人は変わるのか、変わらないのか

第42話で「人は変わるのか」が新章のテーマであると提示されました。
”人は変わるもの” by 矢代、”人はどうせ変わらない” by 綱川。
おそらく”人は変われるもの”の立場なのが百目鬼なんだと思います。

すっかり変わったように見える百目鬼ですが、出会った時から仁姫ちゃんに気に入られており、妹の葵ちゃんに続いて年下の女の子キラーぶりを発揮。
未だに井波と矢代が連絡を取っていると知り、そんな矢代に傷つくところも相変わらずです。(個人的には矢代が昔のように誰とでもやってるかはちょっと分からんなと思って見ています。)

求められる立場へ

恋する兵士百目鬼は恋をされる立場の自分に100%興味なし。
ですが綱川組長は「あいつが欲しくなった」と望み、神谷をお目付役に付けるほどの執心ぶり。
ただ矢代を求めていた立場から、矢代と同じく求められる立場へ。
それは知られたくない腹を探られることであり、ただ求めるだけでは矢代を得られなかった理由を理解する一助になるんじゃないかと思います。

「俺に出世は期待しない方がいい」と神谷に言っていた通り、百目鬼は上になるために桜一家にいるわけではないようです。
捨てられた腹いせをするのかと甘栗に聞かれ「ーああそのつもりだ だが今はまだしない」と答えたり、城戸の件で矢代と鉢合わないよう急いだりしているところを見ると、百目鬼的にタイミングは今じゃないけど何かの準備はしている様子。

矢代を思い続けていることと、手酷く捨てられたのを根に持ってるのは百目鬼の中で両立しているんでしょうね笑
百目鬼は桜一家で何をしようとしていたのか、次巻以降のお楽しみです。(たぶん神谷くんが暴いてくれる。)


次回、矢代の現在地について考察予定。